投資心理学の1つとして知るべき、ピークエンドの法則とは

「ピークエンドの法則」とは、ピーク時の喜びまたは苦痛、そして終了時の喜びまたは苦痛によって記憶が形成される心理現象です。

実際に、ダニエル・カーネマンが行った実験として、

1. 冷水に60秒間手を浸す
2. 冷水に90秒間手を浸す、ただし最後の30秒間は徐々に温度が上昇する

上記の実験が行われ、再度体験するのはどちらか?と尋ねたところ「2」を選択する割合が多かったのです。

合理的であれば「1」の方が苦痛を感じる時間は短いはずですから、「1」の割合が大きくなるはずです。

この例ですと終了時の苦痛が「1」よりも「2」の方が少ないことにより「2」を選択する割合が多くなるのです。

このように人間は、ピーク時と終了時によって物事を記憶する性質を持っています。


では実際に投資家にとって、この心理現象はどのような結果を生み出すのでしょうか?

投資経験が都合良く記憶される

トレードにおいて、投資経験は非常に大切です。

特に利益確定、損切行為においては心理作用の部分が大きく、このときに判断を左右させるのは「投資経験」の他ありません。

「ピークエンドの法則」が働くと投資経験が都合良く記憶されてしまいます。

何の記録も付けずに、ただトレードをしているのであれば、最大含み益と実際の利益しか記憶には残りません。(もしくは損失)

投資経験として重要なのは、どういった行動が利益につながり、または損失につながるのかということです。

人間の記憶は、ピーク時と最後の情報から記憶を形成する性質を持っています。投資ではその間の情報も重要になりますね。

結果が全てだが、経緯も大切

トレードはお金を増やすことがマストになりますから、結果がでてこそのものではあります。

しかし、トレードは長期にわたって繰り返していくものになりますから、PDCAサイクルしていくことが重要です。

「ピークエンドの法則」より作られた記憶をソースとして扱ってしまうと偏りのある、もしくは誤った投資計画を建ててしまう恐れがあります。

絶頂期と終了時だけでなく、トレード1つ1つに過程が必ずあります。

過程にも必ずトレードを改善し、より良いものにするためのヒントが転がっているでしょう。

ただ、人間の心理的に絶頂期、終了時以外の記憶は薄れてしまうため、記憶を頼りにすることはできません。

投資の中身をより詳細に記憶するための対策としては、投資ノートをつける方法があります。

対策として投資ノートをつける

投資ノートをつけることで、「ピークエンドの法則」に逆らい正しい記憶を残すことが可能です。

ただし、投資ノートといっても銘柄と結果を残すだけでは、意味がありません。

人間の心理的に印象が薄くなってしまう部分を記録として残すことが大切です。

具体的には「ピーク時」「終了時」以外の記録を残すことが重要です。

  • 何を根拠にポジションを持ったのか。
  • ポジション建てた際の利益目標、許容リスク。
  • 利益目標、また許容リスクを変えたのであれば、なぜ変えたのか?

上記3点をノートに記録するだけで、トレードで改善する部分はかなり見つけられると思います。

まとめ

  • 人間はピーク時と最後の喜び、または苦痛の度合いから記憶を形成する。
  • 投資では過程の中身も重視する必要がある。対策として投資ノートをつける。
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