ナッジってなに?知らずのうちに人は誘導される【行動経済学】

行動経済学を話すうえで、ナッジ(Nudge)という言葉がしばしばでてきます。ナッジとは英語で、肘で軽く小突くというような意味になります。

ナッジという単語のみでは日本人にはなじみがなく、その言葉だけではどういったものか連想するのも困難です。では今回は行動経済学を学ぶ方に向け、ナッジについてわかりやすく解説し、どういった場合に使われるものなのかについて話させていただきます。

本題:ナッジとは?

さて、本題のナッジですが、行動経済学では「科学的分析に基づいて、人間に正しい行動をとらせようとする戦略」というものです。それだけ聞くとあまりピンとはきませんよね?

では、具体例を1つ挙げると女性にはピンときにくいかもしれませんが、男性用トイレの小便器には便器の中心に的のような絵が描かれている場合があります。これにより利用者は用をたすときに、無意識に的を狙おうとします。

これがまさにナッジであり、トイレを清潔に保つために排泄物が外に漏れないように仕掛けた戦略なのです。大手企業のグーグルでもナッジを用いた事例があります。

グーグルで行われたナッジの例

グーグルは社員の健康促進のため、食事に力をいれています。豊富なメニューがあるランチは無料で、かつ自動販売機はお金をいれずとも飲み物がでてきます。そこであるとき、「社員の寿命を2年延ばす」と宣言しあることを実践しました。

取り組んだ内容の1つとして、食堂のレイアウトの工夫です。目的は、社員に好きなものばかりでなく、健康によいものも食事に取り入れさせ、また食事をとりすぎないようにさせることです。

そして、具体的には以下のようなことを実践しました。

  • 野菜を目立つところに置く。
  • リンゴやバナナ等の体に良いものを取りやすい位置に置く。
  • チョコなどが入った容器は透明から不透明に変えた。
  • デザート1回分を小さくする。
  • 小さいお皿を取りやすくし、大きい皿を選ぶ人ほど太りやすいことを注意書きした。

実践した内容としては上記のように非常にシンプルで、特に制限を設けたわけでもありません。

しかし、結果としては1週間で菓子類によるカロリー摂取量は9%少なくなり、また小皿の利用率が1.5倍に上がり全体の32%が小皿を利用するようになりました。更に飲み物にも簡単な工夫をし、飲み物からのカロリー摂取量も7%削減することに成功しました。

このように、選択を禁じることも、別途報酬を設けることもなく「人間に正しい行動をとらせようとする戦略」がナッジなのです。

初期値(デフォルト)効果

ナッジを活用するうえで、いくつかの行動経済学が利用される場合もあります。その1つとして代表的なのが初期値効果であり、初期値効果を活用した方法としては望ましい選択をあらかじめ初期値に設定しておく方法です。

選択者はあらかじめ選択されているものを変える負担を避けて、初期状態を受け入れる傾向にあります。例えば、新品のスマホに入ってるアプリは特に削除することもなくそのまま放置したり、ECサイトで商品を購入した際には「メルマガを受け取る」にチェックしたまま商品を購入します。

これがまさに初期値効果の事例であり、ナッジを活用するうえで必ず使用する心理バイアスです。

▼初期値効果について詳しくはコチラ▼

最後に

今回は行動経済学を学ぶうえで最も目にするであろうとも言えるナッジについて話させていただきました。ナッジは人に向けて利用するだけでなく、自身に対しても活用することができます。

例えば、自身の生活を改善したいのであれば、身の回りに一工夫付け加えるだけで大きな改善をすることも可能です。

考え方1つの工夫でも行動を変えることができます。人は無意識に不合理な選択をしがちです、意識して最良の選択をしていきたいですね。

参考文献

タイトルとURLをコピーしました