サンクコスト効果とは?「もったいない」精神からハマる罠【行動経済学】

人は、資金や時間を投じたモノほど「もったいない」という意識から手放すのが惜しくなってしまいます。

このことをサンクコスト(Sunk Cost = 回収不可能となった投資費用)から「サンクコスト効果」と呼びます。

コンコルドの誤謬も同じ心理傾向を指すものですが、どちらも同じであり、サンクコスト効果とは呼び名が異なるのみであり差はありません。

前回は、コンコルドの誤謬について投資家目線で記事を書かせていただきました。

今回は、サンクコスト効果について誰もが遭遇してしまう罠について話させていただきたいと思います。

もったいない精神から合理的な判断ができない

具体的な例として「映画鑑賞」を挙げてみます。

例えば、サブスクリプション(定額制)の映画サービスで視聴中の映画が自分好みでなければ、視聴を中断し別の映画に移ると思います。

しかし、映画館では投資したチケット代や、映画館までの移動時間からサンクコスト効果が働き、最後まで視聴してしまいます。

本来であれば、自分好みの映画でないのなら途中で抜け出し時間を有効活用するのが合理的な判断です。

人はこのようにもったいない精神から、不合理な判断をしてしまうのです。

結果的に損をすることが分かっていても、投じた資金や時間が原因で人は「もったいない」と感じ切り捨てることができません。

三田紀房さんの漫画「インベスターZ」からも投資部のテストで、「つまらない映画を何分で退出するか?」という話がありますね。

サンクコスト効果の代表例

サンクコスト効果によって損を重ねてしまう事例は様々あります、その中でも身近なものの代表例として「ソーシャルゲーム」また、サンクコスト効果により多大なる損失をだした「コンコルドの失敗」から例を見たいと思います。

ソーシャルゲーム

ソーシャルゲームはサンクコスト効果にハマってしまう要素が散りばめられています。

まずソーシャルゲームそのものに終わりはなく、運営が続く限りはゲームにも新キャラや新ストーリー等が加わりゲームは継続します。

また、ほとんどのソーシャルゲームにはログインボーナスがあり、加え連続でログインするほど良いボーナスが配られるゲームも存在します。

これにより、「長く続けたから辞めるのはもったいない」「連続ログインを途切れさすのはもったいない」という心理から、例えそのゲームに飽きてしまっても続ける選択をとってしまうのです。

さらにソーシャルゲームには課金要素もありますから、課金すればするほど辞めることに抵抗が強まります。

無料プレイを貫いたとしても、「無料でここまで成長したから」というようなサンクコスト効果が働く場合もありますね。

コンコルドの失敗

サンクコスト効果は別名、「コンコルドの誤謬」と呼ばれます。

実はこれは、サンクコスト効果によりコンコルドの事業で多大なる損失を生み出したことから、コンコルドの誤謬と呼ばれるのです。

超音速旅客機「コンコルド」は世界各国から100機を超える注文が入るほど人気を博していました。

しかし、スピードは劣るものの大型旅客機の登場により注文は相次ぎキャンセル。加え、コンコルドには騒音トラブルや長い滑走路が必要な点など様々な問題を抱えていました。

開発を続けても利益をだすことは愚か、購入予定企業に違約金を払ってでも開発を中断したほうが損失が少なくなるほど大赤字の見込みであったのです。

ただ、プロジェクトを途中まで進め、資金も投じてしまったことによりサンクコスト効果が働き、結果コンコルドのプロジェクトは数兆円の赤字を叩き出してしまいました。

これが、サンクコスト効果による恐ろしい罠なのです。

最後に

今回はもったいない精神から陥ってしまう罠「サンクコスト効果」について話させていただきました。

人は心理的に資金的、時間的投資を行ったものを手放すことには激しい苦痛を伴い、手放すことを躊躇してしまいます。

しかし、手放さないことによって更なる損失が生まれてしまう場合もあります。

手放すことを躊躇する際は、何が起因となって躊躇しているのかを立ち止まって考えてみるのがいいかもしれませんね。

参考書籍

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